育児時短就業給付金の創設について

育児時短就業給付金の創設について

育児時短就業給付金の創設 仕事と育児の両立支援の観点から、育児中の柔軟な働き方として時短勤務制度を選択しやすくすることを目的に、2歳に満たない子を養育するために時短勤務をした場合に、育児時短就業前と比較して賃金が低下するなどの要件を満たした場合に、2025年4月から育児時短就業給付金が支給されます。

支給額

  1. 支給対象月に支払われた賃金額が、育児時短就業開始時賃金月額の90%以下の場合
    支給額=支給対象月に支払われた賃金額×10%
  2. 支給対象月に支払われた賃金額が、育児時短就業開始時賃金月額の90%超~100%未満の場合
    支給額=支給対象月に支払われた賃金額×調整後の支給率
  3. 支給対象月に支払われた賃金額と、(1)又は(2)による支給額の合計が支給限度額を超える場合
    支給額=支給限度額-支給対象月に支払われた賃金額

※育児時短就業開始時賃金月額とは、育児時短就業開始前直近6か月の総額を180で除して得た額に30を乗じたものをいいます。
 ただし、育児休業給付の対象となる育児休業から引き続き同一の子について育児時短就業を開始した場合は、当該育児休業給付にかかる休業開始時賃金日額に30を乗じたものとなります。

支給対象者

 育児時短就業給付金は、次の(1)受給資格の要件を満たし、育児時短就業中の(2)各月の支給要件を満たす月について支給されます。

  1. 受給資格
    • ①2歳未満の子を養育するために、1週間当たりの所定労働時間を短縮して就業する被保険者であること。
    • ②育児休業給付の対象となる育児休業から引き続き、同一の子について育児時短就業を開始したこと、または、育児時短就業開始日前2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上ある(ない場合は賃金の支払の基礎となった時間数が80時間以上ある)完全月が12か月あること。
  2. 各月の支給要件
    • ①初日から末日まで続けて被保険者である月
    • ②1週間当たりの所定労働時間を短縮して就業した期間がある月
    • ③初日から末日まで続けて育児休業給付又は介護休業給付を受給していない月
    • ④高年齢雇用継続給付の受給対象となっていない月
  3. 支給対象となる時短就業(育児時短就業)
    育児時短就業給付金の支給対象となる時短就業(育児時短就業)とは、2歳に満たない子を養育するために、被保険者からの申出に基づき、事業主が講じた1週間当たりの所定労働時間を短縮する措置をいいます。
      • 1週間当たりの所定労働日数を変更した結果、1週間当たりの所定労働時間が短縮される場合を含みます。
      • 短縮後の1週間当たりの所定労働時間に上限・下限はないため、育児・介護休業法に基づく所定労働時間の短縮措置に限られません。
      • 被保険者が子を養育するために短時間正社員、パートタイム労働者等に転換、転職したことに伴い、1週間当たりの所定労働時間が短縮されている場合も含みます。
      • ただし、短縮後の1週間当たりの所定労働時間が20時間を下回る場合は、子が小学校就学の始期に達するまでに1週間の所定労働時間が20時間以上となる労働条件に復帰することが前提であることが就業規則等の書面により確認できる場合を除き、雇用保険の被保険者資格を喪失することとなり、育児時短就業給付金の支給対象となりません。

支給期間

 育児時短就業給付金は、原則として育児時短就業を開始した日の属する月から育児時短就業を終了した日の属する月までの各歴月(支給対象月)について支給されます。
 ただし、次の①~④の日の属する月までが支給対象月となります。

  • ①育児時短就業に係る子が2歳に達する日の前日
  • ②産前産後休業、育児休業または介護休業を開始した日の前日
  • ③育児時短就業に係る子とは別の子を養育するために育児時短就業を開始した日の前月末日
  • ④子の死亡その他の事由により、子を養育しないこととなった日

支給申請手続き

 育児時短就業給付金の支給を受けるためには、原則として事業主経由で育児時短就業開始時賃金の届出、受給資格確認及び支給申請を行う必要があります。
 育児休業の対象となる育児休業から引き続き、同一の子について育児時短就業を開始した場合は、育児時短就業開始時賃金の届出は不要となります。
 支給申請は、原則として2つの支給対象月について2か月ごとに行います。

まとめ

 同一の事業所で時短勤務をする場合だけでなく、転職をして新たに被保険者となった当初からパートタイムや短時間正社員となった場合でも、以前被保険者であった事業所と比較して、1週間当たりの所定労働時間が短い場合も含まれるため、2025年4月以降注意が必要です。
 また、2025年4月以前から育児時短就業を行っている場合には、2025年4月1日から育児時短就業を開始したものとみなして、受給資格・各月の支給要件を満たす場合には、育児時短就業給付金が支給されます。

“育児休業給付について”.厚生労働省

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000135090_00001.html

“2025年4月から「育児時短就業給付金」を創設します”.厚生労働省

https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/001394846.pdf

“育児時短就業給付の内容と支給申請手続”.厚生労働省

hhttps://www.mhlw.go.jp/content/11600000/001395073.pdf